SSブログ

蚊が滅びる日は近い? [管理人日記(雑記帳)]

あなたを悩ます「蚊」、殲滅へのカウントダウン 「子孫を殺すオスの蚊」の破壊力


 英国に拠点を置くバイオテクノロジー企業がデングウイルスを駆除する新しい武器を開発している。ブラジルの研究者たちが遺伝子組み換えにより子孫を駆除する遺伝子を持つ何百万匹ものオスの蚊を生み出しているのだ。

 計画内容は次の通り。この遺伝子組み換えされたオスの蚊を自然界に放つ。このオスの蚊とメスの蚊が交配すると、生まれてくる蚊は成虫になる前に受け継いだ遺伝子によって死ぬ。担当の科学者によると、これを大規模に行えばデングウイルスを媒介する蚊の数は数カ月で大幅に減少するというのだ。その詳細を見ていこう。

蚊は人類の天敵

 蚊がもたらす疾病による年間死者数は他のすべての動物を合算した場合よりも多い。中でもデング熱の感染者数は年間で数千万人に上る。過去50年間でその発生率は30倍に高まり、ブラジルでは制御不能の状態に陥っているようだ。しかし英国のオキシテック(Oxitec)社はついに解決策を編み出したと話す。

 遺伝学者で今回の遺伝子組み換えを監督するソフィア・バストス・ピント氏はチームとともに何百万匹ものオスの蚊の遺伝子組み換えを行っている。その唯一の目的は種が完全に絶滅するまでこの蚊を殺すことだ。

 バストス氏は次のように話す。「私たちが行っているのはオスの蚊を自然界に放ちメスの蚊と交配させることです。オスの精子が卵子に入り、遺伝子がすべての子孫に伝達されます。こうして生まれた最初の子孫たちはこの遺伝子を受け継ぎ、そして死にます」。

この遺伝子組み換え蚊は子孫を成虫になる前に殺すようにプログラムされた遺伝子を持つ。つまりこの子孫が生殖することはない。生殖できなければ種全体が滅びることになるとバストス氏は話す。最近の試験では、デングウイルスを持つ蚊の地域個体群が96%減少した。

 現在、バストス氏のチームはブラジルのカンピーナスにある研究所で蚊の遺伝子組み換えを行っている。この都市では今年に入ってすでに4万件のデング熱感染が報告されている。

政府の承認には要時間

 オキシテック社によると遺伝子組み換え蚊が人間に何らかのリスクをもたらすことはなく、数百万匹の蚊を自然界に放つプロセスも安全だという。現在同社はこのプロセスを大規模に行うための承認が政府から下りるのを待っている。これにはしばらく時間がかかるだろうとバストス氏は言う。

 同氏はまた次のように話す。「手続きは進んでいますが、遺伝子組み換えされた虫を商用目的で使用するための承認申請は世界で初めですから、許可が下りるにはしばらくかかるでしょう。」

 蚊に種を殺す遺伝子を持たせることがデング熱対策に大きな効果があると証明されれば、マラリアなどの他の生物媒介による感染症でも成果が証明される可能性があるとバストス氏は話す。


nice!(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:日記・雑感

nice! 1

トラックバック 0